DOGE、週間で11％下落｜ETF期待と規制不透明感で揺れる市場

ドージコイン（DOGE）の価格は19日、直近一週間で11%、過去4週間で25％以上下落し、0.16ドル台で取引されている。

暗号資産（仮想通貨）市場全体の時価総額も縮小する中、アルトコイン市場を牽引するドージコインは顕著な弱気圧力に直面している。

アルトコイン市場全体の下落と規制不透明感が重し

米国の金融政策の不確実性や地政学リスクを背景に、仮想通貨市場ではリスク回避の動きが強まっている。アルトコイン全体が下落傾向にあり、ドージコインも例外ではない。

ドージコインはプルーフ・オブ・ワークベースのミームコインとして機関投資家からの注目を集め、米国では現物ドージコインETFの検討も進んでいる。

予測市場ポリマーケットのトレーダーは、2025年末までに米SECが承認する確率を67％と見積もる。しかし、現在の慎重な規制環境では明確な進展は見えず、ETFが中長期的に価格上昇の材料となる一方、短期的には市場の不透明感が継続している。

ドージコインの実用性と支持基盤に陰り

ドージコインのファンダメンタルズには課題が多く、実需面での採用は限定的。決済手段としての普及は進まず、競合ミームコインが存在感を高める中で市場シェアは低下傾向にある。

また、過去に影響力のあったイーロンマスク氏による発言も減少しており、X（旧Twitter）上での発信力低下が投機的な関心の後退に拍車をかけている。

ブロックチェーンデータによれば、大口保有者が保有ポジションを縮小。流動性が乏しい市場での売却が、価格下落の圧力となっている。

ドージコインの今後の展望

ドージコインは、ファンダメンタルズの不透明感に直面している。ETF承認期待は中長期的な強材料だが、短期では市場全体のリスクオフムードや競合ミームコインの台頭が逆風だ。

ミームコイン特有のボラティリティを考慮すれば、コミュニティの動向や突発的なニュースによる反発も排除できない。投資家は場センチメントの変化を注視し、慎重なポジション管理が求められる。

【6月19日最新】ドージコイン（DOGE）価格のテクニカル分析

2025年6月19日時点で、ドージコインの価格は0.16ドル台で推移し、テクニカルな節目での攻防が続いている。週足および日足チャートの分析を通じて、価格の短期・中期的な動向を予測する。

週足分析：長期トレンドの調整局面

出典：TradingView DOGE/USD 週足（2023年～現在まで）

2024年の週足チャートは、ドージコインの強気相場を鮮明に示していた。2月に20週移動平均線が100週移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが発生し、長期的な上昇トレンドの開始を裏付けた。

この動きは、ビットコインETF承認や米国大統領選挙といった市場全体のポジティブな材料と連動し、12月には0.48ドルの高値を記録。

しかし、2025年に入り、価格は調整局面に突入している。直近の週足では、20週移動平均線（0.22ドル付近）を明確に突破できず、反落が加速。

現在の価格は100週移動平均線（0.15ドル）に接近しつつある。この水準は、過去の反発実績から重要なサポートとして機能する可能性が高い。

一方で、ボリュームの減少と明確な買いシグナルの欠如は、上昇トレンドへの回帰が遅れるリスクを示唆する。100週移動平均線での攻防が、中期的な価格動向を左右する鍵となる。

日足分析：短期的な変動とレジスタンスの壁

出典：TradingView DOGE/USD 日足（2024年～現在まで）

日足チャートでは、2025年2月に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生し、短期的な弱気トレンドが形成。このシグナル以降、価格は高値安値を切り下げ、一時0.14ドルを割り込む場面も見られた。

その後、買い戻しにより100日移動平均線を一時上抜け、0.25ドル台への急反発を記録。しかし、この上昇は持続せず、、再び0.16ドル台へ後退している。

現在の主要サポートゾーンは、100週移動平均線と重なる0.15ドル、および過去の安値圏である0.13～0.14ドルだ。

一方、0.20ドルは直近のレジスタンスとして機能しており、このゾーンを明確に突破できない限り、上昇モメンタムの回復は困難と見られる。

相対力指数（RSI）は中立圏（40付近）で推移し、売りの兆候は見られないが、明確な反転シグナルも欠く。

ドージコイン（DOGE）相場の要点

• 100週移動平均線（0.15ドル）の支持力が鍵：この水準での反発実績は強く、長期投資家の買い支えが期待される。ただし、明確な買いシグナルが現れるまで下落リスクが残る。
• 0.20ドル台のレジスタンス突破が短期の焦点：日足での0.20ドル超えは、短期的な強気転換の可能性を示すが、ボリューム増加が伴わなければ失速の恐れがある。
• 市場全体のセンチメントに左右される：仮想通貨市場全体のリスクオフムードが続く中、ドージコイン単独での上昇は難しく、外部要因（例：ETF承認期待）が反発のきっかけとなり得る。
• 下落シナリオの警戒：0.15ドルを割り込んだ場合、0.13～0.14ドルへの調整が視野に入り、さらなるパニック売りを誘発する可能性がある。

Mika Kuramoto

CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。