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BTC、売り圧力一時的か|供給逼迫と長期保有者の動向が鍵

6月 12, 2025 9:41 1 分で読了
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BTC、売り圧力一時的か|供給逼迫と長期保有者の動向が鍵

ビットコイン(BTC)は12日、10万7742ドルで取引されており、5月22日の史上最高値11万1970ドルからわずか4228ドル下回る水準で横ばい推移を続けている

この価格帯での停滞は、市場に一時的な売り圧力が存在することを示唆するが、複数のアナリストはこれが短期間で解消され、新たな価格上昇局面が到来すると予測している。

以下では、現在の価格動向とその背景要因を分析する。

売り圧力の主要因:長期保有者の利益確定

暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズのハンター・ホースリーCEOは、現在の売り圧力は主に「非常に古くからビットコインを保有していた投資家」によるものだと指摘する。

これらの投資家は、平均取得価格3万4414ドルでビットコインを購入しており、現在の価格水準では約215%の含み益を実現している。

特に、10万ドルという心理的に重要な価格帯を突破した5月8日以降、長期保有者による売却のが増加している。

ホースリー氏は、13万ドルから15万ドルの水準を突破すれば、この売り圧力は急速に減退し、市場心理が「誰も売らない」状態にシフトすると予想する。

供給逼迫と機関投資の影響

市場の供給面では、ビットコインの流動性が急速に低下している。

OTC取引動向においては、大口取引を支えるビットコインの在庫が枯渇しつつあり、供給逼迫が顕著となっている。

世界最大のビットコイン保有企業ストラテジー社のマイケル・セイラー元CEOは、マイナーの1日あたりの売却量が約450BTCにとどまる中、同水準の買い需要があれば価格は自然と上昇すると強調した。

これは現在の市場が極めてタイトな需給バランスにあることを示している。

さらに、資産運用会社ギャラクシーデジタルのマイク・ノボグラッツ創業者は、機関投資家の流入とデジタル資産への需要増を背景に、年内中の13万ドルから15万ドルへの到達は現実的だと主張する。

この強気な見通しは、ビットコインETF(上場投資信託)やカストディサービスの普及により、伝統的金融機関の参入が加速している現状を反映している。

長期保有者のと短期保有者の新たな戦略

ホースリー氏は、ビットコイン価格が新たな高値圏に突入すれば、長期保有者は売却ではなく、借入を通じて流動性を確保する方向にシフトすると予測する。

仮想通貨を担保とした融資サービスが拡大する中、保有資産を維持しながら資金ニーズを満たす選択肢が増加している。

この動きは、市場への売り圧力を軽減し、供給逼迫を一層強める要因となる。

ホースリー氏は、「ビットコインの供給量は単純に不足する」と述べ、価格上昇のスパイラルが加速する可能性を示唆した。

一方、短期保有者(保有期間155日未満)の平均取得価格は9万7911ドルで、現在の価格水準での含み益は比較的小さい。

ビットコイン価格ダッシュボードBitboのデータによると、短期保有者の利益率は長期保有者に比べて限定的であり、市場のボラティリティに対する耐性が低い可能性がある。

ただし、過去30日間でビットコイン価格が6.12%上昇していることから、市場全体のセンチメントは依然として強気である。

【6月12日最新】ビットコイン(BTC)価格のテクニカル分析

ビットコイン(BTC)は長期的な上昇トレンドを背景に、短期的な変動が市場参加者の注目を集めている。

機関投資家の需要拡大や地政学リスクの緩和が市場を支える一方、テクニカル指標とセンチメントの交錯が次の価格動向を左右する。

ここからは、週足および日足チャートの分析を通じて、現在の市場構造を整理し、今後の価格展開を予測する。

週足チャート:長期的な強気トレンドの持続性

BTC週足チャート

出典:TradingView BTC/USD 週足(2023年~現在まで)

週足チャートは、ビットコインの中長期的な強気基調を明確に示している。

2023年10月に20週移動平均線(20週MA)が100週移動平均線(100週MA)を上抜くゴールデンクロスが発生し、長期上昇相場の起点となった。

この動きは、2024年の米国ビットコインETF承認による資金流入の急増と連動し、価格を押し上げた。

2025年5月には過去最高値11万ドルを記録したが、過熱感から利益確定売りが入り、一時的な調整局面を迎えた。

現在、20週MAは100週MAを上回る状態を維持し、長期トレンドの堅調さが続いている。

直近の価格反発は、ETF流入の再加速や米国政府のビットコイン準備構想への期待感に支えられている。

週足レベルでの主要なレジスタンスゾーンは11万5000ドルから12万ドルと推定される。

この水準を明確に突破した場合、さらなる上昇余地が広がり、13万ドル台への到達も視野に入る。

一方、サポートゾーンは10万ドル付近に位置し、ここでの攻防が長期トレンドの持続性を試す鍵となる。

相対力指数(RSI)は現在65前後で推移し、過熱感は見られないが、70を超える場合は調整リスクに留意が必要である。

日足チャート:短期的な変動とブレイクアウトの可能性

BTC日足チャート

出典:TradingView BTC/USD 日足(2025年~現在まで)

日足チャートでは、短期的な価格動向が複雑な展開を見せている。

5月上旬に20日移動平均線(20日MA)が100日移動平均線(100日MA)を上抜くゴールデンクロスが形成され、短期的な強気バイアスが明確化した。

5月22日に11万ドルを突破したが、米国の通商政策や地政学リスクの高まりが重石となり、一時10万1000ドルを下回った。

6月9日には11万650ドルまで急反発したが、その後の反落により現在は調整局面にある。

直近の高値である11万750ドル(5月27日)が短期的なレジスタンスとして機能する可能性があり、この水準を日足終値で明確に上抜ければ、過去最高値更新に向けた勢いが増す。

一方、現在のサポートゾーンは10万6000ドルから10万7000ドルに位置する。

このゾーンを維持できなかった場合、10万1000ドル付近への下落リスクが高まる。

RSIは50前後で中立水準にあり、短期的な過熱感や売られ過ぎの兆候は見られない。

ビットコイン(BTC)相場の要点

  • 長期トレンドの堅調さ:週足チャートのゴールデンクロスとETF流入の再加速が、長期的な強気基調を支える。11万5000ドルから12万ドルのレジスタンス突破が次の上昇局面のカギとなる。
  • 短期的な変動リスク:日足チャートでは、10万6000ドルから10万7000ドルのサポートゾーンでの攻防が重要。維持できなかった場合、10万1000ドルへの下落リスクが浮上する。
  • 機関投資家の影響:ETF流入や米国ビットコイン準備構想への期待が市場を下支えするが、過熱感が高まった場合の調整リスクに注意が必要。
  • テクニカル指標の均衡:RSIは中立水準にあり、明確な方向感が出るまでレンジ相場が続く可能性が高い。
CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。
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