ビットコイン(BTC)の価格は22日、過去最高値を更新し、11万ドルに達した。
この急騰によりビットコイン時価総額は2.18兆ドルに達し、小売大手アマゾンの時価総額を抜いて世界第5位の資産となった。
現在、ビットコインは金、マイクロソフト、NVIDIA、アップルに次ぐ地位を確立している。
最近の市場動向を牽引する最大の要因は、ヘッジファンドの強い買い需要である。特に、ブラックロックのIBITをはじめとするビットコインETFへの資金流入が顕著である。
IBITは過去25日間で24日連続の資金流入を記録し、総保有量は63.6万 BTCを超えた。このようなETFを通じたヘッジファンドの参入は、市場の流動性を高め、価格上昇の強固な基盤を提供している。
さらに、企業によるビットコインの財務資産としての採用も加速している。
米ソフトウェア企業ストラテジー社は先週7390 BTCを追加購入し、総保有量を57万6230 BTCに増やした。これにより、同社は227億ドルの含み益を計上している。
また、日本企業メタプラネットは今週1004 BTCを取得し、総保有量を1万BTCに引き上げた。
シンガポールの医療大手バーゼル・メディカル・グループなど、他の企業も財務準備金としてビットコインの取得を検討しており、企業需要が価格を押し上げる一因となっている。
市場の強気なセンチメントも、価格上昇を後押ししている。
著名なトレーダー、ピーター・ブラント氏は、ビットコインが数カ月以内に15万ドルに達する可能性を指摘した。
同氏は、新たな最高値更新は「技術的に重要ではない」としながらも、強気市場の特性としてさらなる上昇余地があると強調する。
一方、暗号資産(仮想通貨)アナリストのTitan of Cryptoは、2025年中の13.5万ドル到達を予測し、現在の市場動向がそのシナリオに沿っていると主張する。
ストラテジーの共同創業者マイケル・セイラー氏は、「最高値でビットコインを買わないことは機会損失」と述べ、ビットコインが物理的資本のリスクに対する安全資産であると主張する動画を公開した。
また、著名な金融専門家ロバート・キヨサキ氏は、米国経済のハイパーインフレリスクを背景に、ビットコイン価格が50万ドルから100万ドルに達する可能性を予測する。
キヨサキ氏は、米国債への需要低下と政府の過剰な通貨供給が、市場参加者をビットコインや金といった代替資産に駆り立てていると分析する。
現在のマクロ経済環境も、ビットコイン価格の急騰を後押ししている。
米国経済におけるインフレ懸念の高まりと、過剰な通貨供給に対する市場参加者の警戒感が、ビットコインへの需要を高めている。
特に、米国債の需要低下は、市場参加者が伝統的な金融資産からビットコインや金へのシフトを加速させる要因となっている。
この動きは、ビットコインが「デジタルゴールド」として認知される傾向を強めている。
ビットコイン(BTC)の価格動向は、2025年5月22日時点で強気なトレンドを維持し、11万ドルを突破する展開を見せている。週足および日足チャートのテクニカル分析を通じて、今後の価格動向を予測する。
出典:TradingView BTC/USD 週足 (2023年~現在まで)
週足チャートでは、2023年10月の移動平均線ゴールデンクロス以降、ビットコインは長期的な上昇トレンドを確立している。
このゴールデンクロスは、20週移動平均線が100週移動平均線を上抜けたことで発生し、市場の強気心理を強く裏付けた。
2024年の米国ビットコインETF承認を追い風に、2025年1月には10.9万ドルの過去最高値を記録。
その後、一時的な過熱感の解消に伴う調整局面を経験したが、長期トレンドの転換は観測されていない。
直近の価格上昇により、ビットコインは11万ドルを突破。
この心理的節目を明確に上抜けたまま週足が閉じれば、テクニカルな観点から次の節目である12万ドルに向けた新たな上昇局面が開ける可能性が高い。
週足チャートでは、相対力指数(RSI)が70付近で推移しており、過熱感が強まりつつあるものの、過去の強気市場では80を超える水準まで上昇した例も存在する
。現在のトレンドの持続性は、取引量の増加とヘッジファンドの継続的な買い需要に支えられており、短期的な調整リスクはあるものの、長期的な強気構造に変化はない。
出典:TradingView BTC/USD 日足 (2025年1月~現在まで)
日足チャートでは、5月に入り20日移動平均線が100日移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが発生し、短期的な上昇トレンドの開始を示唆した。
このシグナルは、5月8日に心理的節目である10万ドルを突破したタイミングと一致し、価格上昇に伴う取引量の増加が買い圧力の強さを裏付けた。
直近では11万ドルを突破し、勢いを維持したまま次の節目である12万ドルが視野に入る。
一方、短期的な調整リスクも存在する。現在の価格水準から下落した場合、20日移動平均線が位置する10.25万ドル付近がサポートラインとして機能する可能性が高い。
この水準は、過去の調整局面でも買い支えが観測された重要なテクニカルポイントである。
RSIは日足でも65前後で推移しており、過熱感は週足ほど顕著ではないが、70を超える場合は短期的な調整圧力が強まる可能性に留意が必要である。