BTC12万ドル台到達｜ETF資金流入と機関投資家需要が後押し

ビットコイン（BTC）は14日、アジア時間帯の取引で12万ドル台を突破し、過去最高値を更新した。

この価格急騰の主因は、機関投資家の採用拡大への楽観論と、米国で開催されるクリプトウィークを控えた期待感である。

機関投資家の需要とクリプトウィークへの期待

ビットコインの価格上昇は、米国における現物ビットコインETFへの記録的な資金流入に支えられている。

ブラックロックやフィデリティといった大手資産運用企業が暗号資産（仮想通貨）への投資を拡大しており、機関投資家の関心が一段と高まっている。

こうした動きは、仮想通貨市場の成熟と信頼性の向上を示唆する。特に、先週のETF流入額は過去最高を記録し、市場の強気ムードを後押しした。

また、投資家のセンチメントは、7月14日からワシントンで始まるクリプトウィークにも大きく影響を受けている。

米国下院では、ステーブルコインや仮想通貨の保管、デジタル金融エコシステム全体を包括する規制枠組みを定めるGENIUS法、CLARITY法、CBDC監視国家反対法などの重要法案が議論される予定である。

これらの法案が可決されれば、仮想通貨市場に明確な法的基盤が提供され、さらなる機関投資家の参入を促す可能性が高い。

中国の政策転換の兆しと関連株の動向

一方、中国では仮想通貨取引が禁止されているものの、上海の国有資産監督当局が先週木曜日にステーブルコインとデジタル通貨政策に関する戦略会議を開催した。

この動きは、中国が仮想通貨に対する規制姿勢を見直す可能性を示唆。市場参加者は、この政策転換がグローバルな仮想通貨市場に与える影響を注視している。

ビットコインの上昇に伴い、仮想通貨関連銘柄も活況を呈している。

米国上場のマイニング関連企業やETF関連銘柄であるライオット・プラットフォームズ、マラ・ホールディングス、ストラテジーなどは先週、顕著な株価上昇を記録した。

これらの動きは、ビットコイン価格の上昇と市場全体とのポジティブな連動性を反映している。

ビットコインの今後の価格動向は、引き続き機関投資家の動向と規制環境の進展に左右されるだろう。

特に、「クリプトウィーク」の結果は、市場の中長期的な方向性を決定づける可能性がある。投資家は、規制の進展とマクロ経済環境の変化を注視しながら、ポジション管理を行う必要がある。

【7月14日最新】ビットコイン（BTC）価格のテクニカル分析

ビットコインは2025年7月14日に12万ドルを上回り、過去最高値を更新したことで市場の注目を集めている。本稿では、週足および日足チャートをもとに現在の市場構造を分析し、今後の価格推移を展望する。

週足分析：長期的な強気トレンドの持続性

出典：TradingView BTC/USD 週足（2023年～現在まで）

週足チャートは、ビットコインの長期的な上昇トレンドが依然として強固であることを示している。2023年10月に20週移動平均線（20週MA）が100週MAを上抜くゴールデンクロスが形成されて以来、強気相場の基盤が確立された。

この構造は現在も維持されており、20週MAが100週MAを大きく上回る形で推移し、長期的な買い圧力の継続を裏付けている。

直近の12万ドル突破は、史上最高値を更新する重要な布石である。次のレジスタンスゾーンは13万ドル付近に位置し、続いて13万4000ドルが心理的な抵抗線として意識される。

一方、サポートゾーンは10万ドル付近に形成されており、週足実体でこれを下抜ける場合、9万5000ドルから9万6000ドルのエリアが次の防衛線となる。このサポートゾーンの維持は、長期的な上昇トレンドの継続に不可欠である。

日足分析：短期的なモメンタムと市場の変動性

出典：TradingView BTC/USD 週足（2025年～現在まで）

日足チャートは、短期的な価格動向が市場心理や外部要因の影響を受けやすいことを示している。2025年5月初旬に20日移動平均線（20日MA）が100日MAを上抜くゴールデンクロスが発生し、短期的な強気バイアスが確認された。

しかし、6月下旬には米国の通商政策を巡る不透明感や地政学的リスクの高まりにより、一時的に10万ドルを下回る場面が見られた。

この下落局面では、機関投資家の買い支えがサポートゾーンの防衛に寄与し、価格の回復を後押しした。

直近では12万ドルに到達し、短期的な強気モメンタムの再加速を示唆している。

相対力指数（RSI）は現在、過熱圏には達していないものの、70に近づく水準で推移しており、買い圧力の強さを反映している。

次のレジスタンスゾーンは13万ドルから13万4000ドルに位置し、特に13万ドルは心理的節目に基づく抵抗線となる可能性が高い。

一方、10万ドル付近のサポートゾーンは引き続き堅牢であり、短期的な調整局面でも買い需要が観測される。

このゾーンを日足実体で明確に下抜ける場合、9万5000ドルから9万6000ドルへの下落リスクが浮上するが、現行の市場構造ではその可能性は低いと判断される。

ビットコイン相場の要点

• 長期トレンドの持続性：週足チャートのゴールデンクロス構造と機関投資家の買い支えにより、ビットコインの長期的な強気トレンドは盤石である。10万ドル付近のサポートゾーンが維持される限り、上昇基調が継続する可能性が高い。
• 短期的なレジスタンス：13万ドルから13万4000ドルが次の重要なレジスタンスゾーンとなる。このエリアの突破には、さらなる機関投資家の参入や規制環境の進展が必要となる。
• サポートゾーンの重要性：10万ドルおよび9万5000ドルから9万6000ドルのサポートゾーンは、短期的な調整局面での防衛線として機能する。これらのゾーンを維持できれば、強気バイアスが継続する。
• 外部要因の影響：米国のクリプトウィークや中国の規制動向など、外部要因が市場心理に与える影響は大きい。これらのイベントの進展が、短期的な価格変動の鍵を握る。

倉本 実花

CryptoDnesで専属ライターとして暗号資産領域の記事を執筆中。2020年に仮想通貨投資を開始し、ビットコインやNFT、DeFiなど多様な分野での投資経験を積む。2025年1月にCryptoDnesのチームに加わる。