ビットコイン(BTC)の価格は12日、直近1週間で10.8%上昇し、10.4万ドル台を推移している。
5月9日から10日にかけてジュネーブで開催された米中貿易サミットは、米国当局が「画期的合意」と評する成果を上げた。
具体的には、貿易赤字の縮小と両国間の緊張緩和を目指す枠組みが構築された。
このニュースを受け、投資家のリスク選好姿勢が強まり、ビットコイン価格は日曜夕刻までに10万4200ドルを上回る水準で安定した。
暗号資産(仮想通貨)市場全体も連動し、イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)はそれぞれ5.1%、4.6%の上昇を記録した。
ビットコインのドミナンスは53.4%に上昇し、マクロリスクの主要指標としての地位を改めて示した。
ビットコインの価格上昇を支えたもう一つの要因は、機関投資家の継続的な参入である。
BitMEX Researchによると、ビットコイン現物ETFは直近3営業日で2億6100万ドルの純流入を記録し、特にブラックロックのIBITとフィデリティのFBTCがその大半を占めた。
4月20日以降、ETF全体の純流入額は20億ドルを超え、4週間にわたる停滞からの反転を示している。
Santimentのデータによると、ビットコインの「Age Consumed」指標は5月5日の4903万BTC日から5月11日には251万BTC日へと急落した。
この指標は、休眠状態のBTCの移動量にその休眠期間を乗じたもので、急落は長期保有者が売却を控えていることを示唆する。
価格上昇期におけるAge Consumedの低下は、供給圧力の軽減とさらなる上昇余地を示す典型的な強気シグナルである。
マクロ経済面では、ドル流動性の回復と利下げ期待の高まりがビットコインの相対的な魅力を高めている。
さらに、テキサス州やワイオミング州など複数の米国州が、ビットコインを準備資産として保有することを認める法案を可決。
加えて、Google Trendsによると、「ビットコインETF」の検索ボリュームは前週比22%増加し、個人投資家の関心も高まっている。
これらの要因が重なった結果、ビットコインが持続的に上昇し、過去最高値である10.9万ドルを更新する現実味が一段と増している。
ビットコインの価格は2025年5月12日時点で10.4万ドル付近で推移し、過去最高値10.9万ドルに迫る勢いを見せている。
週足および日足チャートのテクニカル分析を通じて、今後の価格動向を予測する。
長期的な強気トレンドの再確認と短期的な上昇加速が市場の主軸となっており、主要な抵抗線突破が次の焦点となる。
出典:TradingView BTC/USD 週足 (2023年~現在まで)
週足チャートでは、2023年10月の移動平均線ゴールデンクロス以降、ビットコインは長期的な上昇トレンドを維持している。
このシグナルは市場の強気心理を裏付け、2024年の米国ビットコイン現物ETF承認を追い風に、2025年1月に10.9万ドルの過去最高値を記録した。
しかし、4月の大幅な下落により、20週移動平均線を一時的に下回り、100週移動平均線との乖離が縮小した。
この調整は、過熱感の解消を伴う一時的なものであり、長期トレンドの転換を示すものではない。
直近の価格上昇により、20週移動平均線を回復し、過去最高値に再接近している。
この回復は、2023年以降の強気トレンドの再開を支持する重要なシグナルである。
次の主要な抵抗線は10.9万ドルの過去最高値であり、これを明確に突破できれば、12万ドルに向けた新たな上昇局面が開ける可能性が高い。
逆に、調整局面では9万ドル付近の100日移動平均線が強固なサポートとして機能するだろう。
出典:TradingView BTC/USD 日足 (2025年1月~現在まで)
日足チャートでは、5月に入り20日移動平均線が100日移動平均線を上回るゴールデンクロスが発生し、短期的な上昇トレンドの開始を示唆した。
価格は順調に上昇し、5月8日に心理的節目である10万ドルを突破。
現在の価格は10.4万ドル付近で推移し、取引量も価格上昇に伴って増加している。
この出来高の増加は、市場の買い圧力の強さを反映し、トレンドの持続性を裏付ける。
目先の抵抗線は10.5万ドルの心理的節目であり、ここでは短期的な利確売りによる反発圧力が予想される。
しかし、現在の市場センチメントと買い圧力の強さから、このレベルを突破し、過去最高値の10.9万ドルを再び試す展開が想定される。
一方、下落局面では、9.7万ドル付近が直近のサポートとして機能すると予想される。
相対力指数(RSI)は現在70付近で推移し、過熱感が強まりつつあるものの、極端な買われ過ぎゾーンには達していないため、短期的な上昇余地は残されている。