リップル(XRP)の価格は15日、関税問題による急落(1.61ドル)から32%上昇し、2.16ドルで取引されている。
この急回復は、米証券取引委員会(SEC)とリップル社との訴訟終結の可能性や、複数のXRP ETF申請期限が迫る中での楽観的な市場センチメントに支えられている。
リップル価格の上昇は、SECがリップル社に対する訴訟を終結させる可能性に大きく起因する。
リップル社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏は、SECスタッフと訴訟終結に向けた合意に達したと述べ、近日中の委員会投票が予定されていると明らかにした。
4月9日、トランプ大統領の指名を受けたポール・アトキンス氏がSEC議長に承認された。
アトキンス氏は暗号資産(仮想通貨)に友好的な規制環境を構築すると期待されており、数日以内の正式就任が予想される。
就任後、訴訟取り下げの投票が迅速に実施される可能性が高い。
SECとリップル社は木曜日、訴訟の上訴手続きを一時停止する共同要請を提出しており、市場は早期解決を織り込みつつある。
SECは2月、複数のXRP ETF申請を確認し、5月22日を初回審査期限に設定した。
テウクリウム(Teucrium)社のXRP ETF承認や、グレースケール(Grayscale)社のXRP現物ETF申請の対応期限が迫る中、市場はアトキンス新議長の動向に注目している。
ETFの承認は、機関投資家の需要を喚起し、リップルの価格をさらに押し上げる可能性がある。
リップルの価格上昇は、SEC訴訟の進展、ETF承認への期待、テクニカル面での強気シグナルに支えられている。
しかし、グローバルな貿易摩擦による不透明感は、仮想通貨投資家に慎重な姿勢を求めている。3ドルへの回復には、規制環境の明確化とマクロ経済の安定が不可欠だ。
出典:TradingView XRP/USD 週足 (2024年~現在まで)
リップル(XRP)の週足チャートを俯瞰すると、2024年8月に20週移動平均線が100週移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが発生。
これにより中長期的な上昇トレンドの開始が明確に示された。
このテクニカルシグナルは、2024年11月から12月にかけての急騰を予兆するものであり、ビットコインの強気相場と共鳴しながらXRP価格は約5.5倍に跳ね上がった。
しかし、現時点で100週移動平均線からの乖離が顕著に拡大している点は警戒を要する。
この乖離は市場の過熱感を反映し、歴史的に見ても同様の状況は調整局面へと繋がる傾向が強い。
特に、2月初旬の安値1.77ドルを週足の実体で下抜ける展開となれば、100週移動平均線付近までの下落が視野に入る。
一方で、週足が2.24ドルの直近高値を明確に突破するシナリオでは、さらなる上昇余地が広がり、3.0ドルへの心理的抵抗線が次の焦点となる。
出典:TradingView XRP/USD 日足 (2024年~現在まで)
日足チャートに視点を移すと、2024年2月下旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生し、短期的な下降トレンドが形成された。
この下圧力は、1.9ドル台のサポートを割り込み、一時的に1.61ドルまで価格を押し下げた。
直近では反発が見られ、2.1ドル近辺で推移しているが、下方向のリスクは依然として排除されていない。
具体的には、日足の実体で1.77ドルを明確に下抜ける場合、売り圧力が加速し、1.4ドル付近の次のサポートゾーンへの調整が現実味を帯びる。
逆に、2.24ドルの直近高値を日足で上抜ける展開となれば、買い勢が主導権を奪還し、2.5ドルから2.7ドルゾーンへの上昇が視野に入る。