ソラナ(SOL)の価格は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要仮想通貨に対し相対的な強さを見せ、直近一週間で30.1%上昇し、132ドル台へ到達した。
ソラナとイーサリアムの価格比率(SOL/ETH)はこのほど、ソラナの価格上昇を受け、0.081(8.1%)に達した。
これは年初の5.8%から約40%の上昇となり、過去最高を記録する結果となった。
一方、イーサリアムの価格は同時期に約10%下落し、両者のパフォーマンスの乖離が鮮明となっている。
この価格変動の背景には、複数の要因が絡み合っている。
まず、ソラナの強気相場を支えているのは、ネットワークのスケーラビリティと高速処理能力への市場の信頼感だ。
ソラナは、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)分野での採用拡大に加え、最近のエコシステム拡大策が投資家の注目を集めている。
特に、ソラナ基盤のミームコインを中心としたプロジェクトが機関投資家の資金流入を受けているとの報告が、価格上昇を後押しした可能性がある。
対照的に、イーサリアムは5月7日に予定される「ペクトラ(Pectra)」アップグレードを控え、不確実性が市場心理に影響を及ぼしている。
ペクトラは、アカウント抽象化の導入やステーキング上限の引き上げ、ロールアップの効率化を目的とした最大ブロブ数の増加など、イーサリアムにとって重要なアップグレードだ。
しかし、アップグレードに伴う技術的リスクや、市場の短期的な利益確定売りが価格下落を誘発したとみられる。
さらに、イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は4月11日、X上でペクトラ以降のハードフォークの加速に言及。
市場の期待感を高めた一方で、開発の複雑さに対する懸念も浮上している。
加えて、仮想通貨市場全体の動向も影響している。
イーサリアムの対ビットコイン(ETH/BTC)価格比率は過去6カ月で47%下落し、1.9%と2020年1月以来の低水準に沈んだ。
これに対し、ソラナはビットコインに対しても相対的な強さを維持しており、市場の資金フローがソラナに傾斜している可能性を示唆する。
現時点で、ソラナの価格上昇はネットワークのファンダメンタルズと市場センチメントの好転に支えられていると言えよう。
ただし、イーサリアムのアップグレード進展やマクロ経済要因次第では、両者の価格動向が再び収束する可能性もある。
引き続き、ペクトラアップグレードの展開とソラナエコシステムの成長が、仮想通貨投資家の注目を集めるだろう。
出典:TradingView SOL/USD週足 (2024年10月~現在まで)
ソラナ(SOL)の週足チャートを概観すると、2024年11月以降のビットコイン主導の強気相場が一時的な上昇を牽引したが、2025年1月以降は市場全体の弱気転換に伴い明確な下落トレンドに突入した。
特に3月下旬には、2024年を通じて買い支えとして機能してきた100週移動平均線を下抜け、長期的なサポート喪失が確認された。
この下抜けは、取引高の著しい低下と相まって、市場のセンチメント悪化を反映している。
現行価格は130ドル台まで回復しているものの、週足レベルでの弱気トレンドを打ち消すにはさらなる買い圧力が必要だ。
直近の96ドル台からの反発は、短期的な底打ちを示唆するが、週足レベルでのトレンド転換には至っていない。
現在の価格帯は、2024年後半のレンジ下限である110ドル〜120ドルを上回る水準に位置するが、150ドル付近のレジスタンスゾーンを試すには、持続的な買い需要の復活が不可欠となる。
出典:TradingView SOL/USD 日足 (2024年10月~現在まで)
日足チャートでは、2月上旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが形成され、売り圧力が一段と強まった。
4月6日週には3月の安値112ドルを下回り、一時100ドル割れを記録したが、その後の反発が顕著だ。
直近では123ドルの直近高値をブレイクし、135ドル台の日足レベルでのレジスタンスに迫る展開となっている。
日足実体で135ドルのブレイクが実現すれば、147ドル付近の次の高値ゾーンへの上昇が視野に入る。
ただし、現在の日足チャートではデッドクロスが依然として有効であり、過熱感は乏しい。
短期的な買い圧力が継続する一方で、135ドルでの上値抵抗や再び下落に転じるリスクも否定できない。
仮に135ドルを突破できなかった場合、112ドルや100ドル台への再下落が意識される。