ライトコイン(LTC)の価格は5日、84.7ドル付近で取引を開始後に顕著な上昇を見せ、約3.8%高の88ドル付近で取引されている。
この価格動向の背景には、米証券取引委員会(SEC)によるカナリー・ライトコインETFの最終決定が迫っていることによる、市場の楽観ムードが挙げられる。
SECは本日、カナリー・ファンドが提案するライトコインETFの承認可否を決定する予定である。
一部の市場アナリストは、ライトコインの独自の属性や規制上の歴史を考慮し、承認確率を約90%と推定している。
これは、XRP(85%)、ドージコイン(80%)、カルダノ(75%)といった他のアルトコインETFと比較しても高い水準である。
ブルームバーグのETFストラテジスト、ジェームズ・セイファート氏は、X(旧Twitter)での発言で、他の暗号資産(仮想通貨)ETFの申請が遅延している中、カナリー・ファンドの提案は依然として延期されていないと指摘。
しかしセイファート氏は、SECが承認を延期する可能性が高いと予想しており、市場参加者に対し動向を注視するよう呼びかけている。
ETF承認が実現すれば、機関投資家の参入が加速し、ライトコインの流動性と価格安定性が向上する可能性がある。一方で、延期や却下が決定した場合、短期的な価格調整が予想される。
ライトコインの価格動向は、ETF承認の結果次第で大きく左右されると予想される。
ライトコインの現在取引高は前日比31%増の3億3800万ドルを超え、市場の関心の高さを裏付けている。
承認が実現すれば急騰が現実味を帯び、さらなる機関投資の流入が予想されるが、延期や却下は短期的な下落圧力を招く可能性がある。
市場参加者は、SECの決定と併せて、ビットコイン(BTC)ETFへの再流入傾向にも注目する必要がある。
出典:TradingView LTC/USD 週足 (2024年~現在まで)
ライトコイン(LTC)は2024年の強気相場で堅調な上昇を見せたが、足元の市場動向は調整局面の継続を示唆している。
週足チャートでは、2024年11月に20週移動平均線が100週移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが形成され、長期的な上昇トレンドの開始が示唆された。
この強気シグナルを受けて価格は急騰し、12月には147ドルのピークを記録。
しかし、高値圏での強い売り圧力により価格は急落し、100週移動平均線のサポートを下抜けた。
2025年4月上旬には63ドルまで下落し、半年間の上昇幅をほぼ解消する展開となった。
直近では90ドル台への回復が見られるものの、20週移動平均線(現在約100ドル)を明確に上抜けられていない。
このレジスタンスラインの突破がなければ、中長期的には売り圧力の再燃が懸念される。
一方で、63ドル付近の安値は強力なサポートとして機能しており、短期的な底値形成の可能性を示唆している。
出来高は下落局面で増加傾向にあり、市場参加者の関心が依然高いことを反映している。
出典:TradingView LTC/USD 日足 (2024年~現在まで)
日足チャートでは、2025年3月上旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが形成され、短期的な売りトレンドが鮮明となった。
3月下旬に記録した96.5ドルの高値は重要なレジスタンスとして機能する可能性があり、現在の価格(80ドル台)はこの水準を下回る推移が続いている。
短期的な上昇にはこのラインの突破が不可欠である。
一方、相対力指数(RSI)は現在45付近で推移し、売られ過ぎゾーン(30以下)には程遠い。
このため、さらなる下落余地が残されている可能性がある。
ただし、3月下旬以降の出来高は下落時に縮小傾向にあり、売り圧力が徐々に弱まっている兆候も見られる。
96.5ドルのレジスタンスを突破できれば、100日移動平均線(約98ドル)への挑戦が視野に入る。