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イーサリアム、2年ぶり安値1420ドル記録|短期保有者売却影響

4月 8, 2025 10:55 1 分で読了
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イーサリアム、2年ぶり安値1420ドル記録|短期保有者売却影響

イーサリアム(ETH)の価格は7日、前日高値1814ドルからおよそ21%下落し、2年ぶりの安値である1420ドルまで後退した

短期保有者による売り圧力の影響

この急激な価格下落の背景には、短期保有者の活発な売却行動があると見られる。

オンチェーン分析ツールCoinglassのデータによれば、この期間、イーサリアムデリバティブ市場で2億5787万ドル相当の清算が発生し、市場の深刻な状況が明らかになっている。

さらに、暗号資産(仮想通貨)分析企業Santimentのオンチェーン情報によると、4月6日~7日にかけて、仮想通貨投資家の損切りが急増。

これによる実現損失は5億ドルを突破した。

特に直近1カ月以内に取得されたアルトコインが売却の主軸となっており、短期保有者が価格の下落に過敏に反応していることがうかがえる。

この傾向は、7日にイーサリアムが1,500ドル台を一時回復した後も続いており、市場の心理が依然として不安定であることを示している。

一方、1~2年前に購入されたコインも売却の動きに加わり始めているが、その速度は比較的緩やかだ。

このグループからの売り圧力が増す場合、イーサリアムの価格下落がさらに長引く可能性が浮上する。

DeFi清算の連鎖が価格を押し下げる

短期保有者の売却に加え、DeFi(分散型金融)プラットフォームでの清算が、イーサリアムの下落を加速させる要因となっている。

オンチェーン分析サービスLookonchainの情報によれば、DeFiプロトコル「Sky(旧Maker)」は7日、5万3074ETH(約7400万ドル相当)の担保を持つ大口投資家のポジションを強制清算した。

Skyではイーサリアムを担保としてDAIステーブルコインを借り入れる仕組みが採用されているが、担保価値が所定の基準を下回ると自動的に清算が実行される。

また、別の大口投資家は22万ETHを担保に保有しており、7日に1万ETHと352万DAIを追加投入したが、清算ラインを1,119ドルに設定している。

イーサリアムがこの価格を下回れば、担保全額が失われる危険性がある。

同様の事態はDeFiプロトコルAaveでも発生しており、@KARTODのDuneダッシュボードによると、7日に1億6200万ドルを超える担保が清算された。

DeFi全体で清算が拡大することで、イーサリアムの流動性不足が悪化し、価格の下押し圧力が強まっている。

イーサリアム(ETH)の価格動向|テクニカル視点からの考察

ETH週足チャート

出典:TradingView ETH/USD週足 (2023年~現在まで)

イーサリアム(ETH)は2024年の上昇トレンドを経て、現在は顕著な調整フェーズに入っている。

2023年11月にゴールデンクロスが発生したことを契機に、ビットコインETFの承認や米大統領選挙といった外的要因が追い風となり、価格は2,000ドルから一時4,100ドルまで急伸した。

しかし、2024年12月の最高値到達後、上昇の勢いは急速に衰え、現在は2年ぶりの安値となる1,420ドル付近まで下落し、次の展開を見極める局面にある。

週足では、2024年を通じて100週移動平均線が重要な支えとなっていたが、最近の下落でこのラインを明確に割り込んだ。

これは、2023年から続いてきた強気トレンドが終わりを迎え、長期的な下降局面へと移行した可能性を示している。

最高値4,100ドルから現在までに価格は約65%下落し、1,420ドルは2022年の底値圏に近い水準だが、過去のデータではサポートとしての信頼性が低い。

ボリンジャーバンドの-2σ(標準偏差下限)が1,300ドル付近に位置しており、この水準を下回る動きがあれば、パニック売りを誘発する可能性も視野に入る。

ETH日足チャート

出典:TradingView ETH/USD日足 (2024年10月~現在まで)

日足では、1月下旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが確認され、売り圧力の高まりが顕著だ。

4月初旬に記録した1,950ドルが直近の抵抗線として機能しており、このラインを超えられない限り、強気モメンタムの回復は期待しにくい。

1,760ドルのサポート崩れ後、価格は1,420ドルまで急落したが、4月7日にはこの水準でわずかな反発を示した。

ただし、1,420ドルは過去に強固な支持線として機能した実績が薄く、反発に伴う出来高の増加も見られないため、持続性に疑問が残る。

次の下値ターゲットとして1,100ドル台前半が想定されるが、現在の市場ダイナミクスからは、この水準への下落リスクが依然として高いと判断される。

RSI(相対力指数)が30を下回る売られ過ぎ領域にある点は注目に値するが、反転シグナルが明確でないため、楽観視は時期尚早だ。

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