ドージコイン(DOGE)の価格は30日、前日比2.8%安を記録し、0.17ドル台で小康状態が続いている。
4月29日、ナスダックが米国証券取引委員会(SEC)に21SharesドージコインETFの上場および取引を提案する19b-4フォームを提出した。
この動きは、4月10日に資産運用会社21SharesがSECに提出したS-1登録に続くもので、投資家がドージコインの価格変動に直接的な暗号資産(仮想通貨)の売買なしで投資機会を得られる仕組みを提供する。
コインベース・カストディ・トラストが同ETFのトークンを保有し、公式カストディアンを務める予定である。
このニュースは、主要ミームコインであるドージコイン市場に新たな機関投資の可能性を示唆し、長期的な価格上昇への期待を一部で醸成した。
しかし、同日、SECは仮想通貨運用会社ビットワイズのドージコイン現物ETF申請に関する決定を6月15日まで延期すると発表。
この延期は、米証券取引所NYSE ArcaおよびCboe BZXが3月に提出したビットワイズのドージコイン上場申請に対応するものである。
SECの慎重な姿勢は、仮想通貨ETFの規制枠組みに関する不透明感を浮き彫りにし、市場参加者の間に一時的な不確実性を引き起こした。
これらのニュースが市場に与えた影響は即時的だった。
ドージコインの価格はSECの延期発表を受けて一時的に下落し、0.17ドル近辺で推移した。
4月29日の取引では、ナスダックのETF申請が好感されたものの、SECの決定延期による不確実性が重しとなり、価格は0.17ドル前後で安定した。
出来高は通常よりもやや増加し、投資家の注目がETF関連の進展に集まっていることを示唆する。
市場の動向を分析すると、21SharesのETF申請はドージコインの機関投資需要を高める可能性がある一方、SECの審査延期は短期的な価格上昇を抑制する要因となっている。
規制当局の最終決定が市場の方向性を大きく左右する中、仮想通貨投資家は今後数カ月のSECの動向を注視する必要がある。
現時点では、ドージコインの価格は0.17ドルを軸に短期的なレンジ相場を形成しており、明確な材料がなければこの水準での推移が続く公算が高い。
出典:TradingView DOGE/USD 週足 (2024年~現在まで)
2024年のドージコインの週足チャートは、年を通じて強気なパフォーマンスを映し出した。
2月に20週移動平均線が100週移動平均線を上抜けるゴールデンクロスが発生し、長期的な上昇トレンドの開始を示唆した。
このシグナルは、ビットコインETFの承認や米国大統領選挙といった市場全体の好材料と相まって、価格を12月の高値0.48ドルまで押し上げた。
しかし、足元ではその上昇幅の調整が進む。
20週移動平均線を下抜けた後、下落が加速し、5カ月分の上げ幅をほぼ解消した。
現在、価格は100週移動平均線付近の0.17ドルで推移し、0.14ドル近辺がサポートとして機能する兆候が見られる。
100週移動平均線は歴史的に強力なサポートゾーンとして作用してきた。
この水準が維持される場合、調整局面の終了と反発の可能性が浮上する。
一方、0.14ドルを明確に下抜けると、次のサポートゾーンである0.10ドル付近までの下落リスクが高まる。
週足チャートは、0.14ドル水準での攻防が長期トレンドの方向性を決定する鍵となることを示唆する。
出典:TradingView DOGE/USD 日足 (2024年~現在まで)
日足チャートでは、2025年2月初旬に20日移動平均線が100日移動平均線を下抜けるデッドクロスが発生し、短期的な下降トレンドが明確化した。
このシグナル以降、高値と安値を切り下げる展開が続き、価格は0.14ドル近辺で一週間以上推移している。
この水準は、週足の100週移動平均線と重なるサポートゾーンと一致し、値固めの局面にあることを示す。
上方向では、3月下旬に記録した高値0.20ドル付近が最初のレジスタンスとして機能する。
この水準を突破した場合、0.25ドル付近の次の抵抗線が視野に入る。
一方、下方向では0.14ドルのサポートを下抜けると、0.10ドル付近のサポートゾーンが次の焦点となる。
出来高は直近でやや低下しており、市場参加者が明確な方向性を見極める前の様子見姿勢を示唆する。
日足チャートは、0.14ドルから0.20ドルのレンジをブレイクした後の動きが短期的なトレンドを決定する可能性が高いことを示している。