ビットコイン(BTC)価格は26日、2カ月ぶりに9.5万ドルを突破し、暗号資産(仮想通貨)市場に強い上昇モメンタムをもたらした。
この急騰の主要因は、中国が米国からの一部輸入品に対し、125%の関税を免除したとの報道である。
ロイターによると、中国は米国製の医薬品を含む131品目について関税免除を検討しており、化学製品、ワクチン、ジェットエンジンなどが含まれる可能性がある。
この動きは、米中貿易戦争の緊張緩和の兆しと仮想通貨市場参加者に受け止められ、ビットコイン価格の押し上げ要因となった。
今月初旬に始まった米中貿易戦争は、ビットコインおよび他のアルトコインの価格にマイナスの影響を与えていた。
中国が米国製品に125%の関税を課したことで、市場はリスクオフのムードに支配され、仮想通貨はリスク資産として売られる傾向にあった。
しかし、今回の関税免除措置は、両国間の交渉進展の可能性を示唆するものとして投資家の信頼を回復。
ビットコインはリスク資産から安全資産としての性格を強め、資金流入が加速した。
特に、市場参加者はこの免除措置を、中国が貿易戦争の終結に向けた柔軟な姿勢を示していると解釈している。
一方で、中国政府はトランプ元大統領と習近平国家主席の電話会談に関する報道を否定しており、両国間の緊張が完全には解消していないとの見方も根強い。
それでも、関税免除のニュースは市場心理をポジティブに転換させ、ビットコイン価格の上昇を後押しした。
今回の価格上昇は、米中貿易戦争の緊張緩和によるセンチメント改善が主導しているが、依然として不確実性は残る。
中国政府が関税免除の詳細を公式に発表していない点や、米中間の交渉が停滞する可能性は、市場のボラティリティを高めるリスク要因である。
また、ビットコインが10万ドルの心理的抵抗線を突破できるかどうかは、現在のモメンタムが持続するかにかかっている。
結論として、ビットコイン価格の9.5万ドル突破は、米中貿易戦争の緩和を示唆する中国の関税免除措置に強く影響された。
この上昇トレンドが継続すれば、10万ドル超えが視野に入るが、仮想通貨投資家は今後の米中関係の動向に注目する必要がある。
出典:TradingView BTC/USD 週足 (2024年~現在まで)
週足チャートでは、2023年10月の移動平均線ゴールデンクロス以降、ビットコインは長期的な上昇トレンドを維持してきた。
このシグナルは市場の強気心理を裏付け、2024年のビットコインETF承認を追い風に、2025年1月には10.9万ドルの高値を記録。
しかし、4月にかけての大幅な下落により、20週移動平均線を大きく下回り、100週移動平均線との乖離が縮小していた。
直近の上昇により、ビットコインは20週移動平均線を回復。
現在の価格水準が3月の高値8.8万ドルおよび20週移動平均線を上回ったまま週足が引ければ、テクニカル的には一時的な下落トレンドの終了が示唆される。
この回復は、長期的な強気トレンドの再開を支持する重要なシグナルである。
出典:TradingView BTC/USD 週足 (2024年~現在まで)
日足チャートでは、2025年2月下旬に20日および100日移動平均線のデッドクロスが発生し、短期的な弱気圧力が明確に示されていた。
3月中旬以降、ビットコインは7.4万ドルから8.8万ドルのレンジ内で推移し、方向感を欠いていた。
しかし、4月22日の6.7%の上昇により、このレンジを明確に上抜け、同時に100日移動平均線を突破。短期的な下降トレンド終了の可能性が浮上している。
その後、価格は順調に値を伸ばし、9.5万ドルを突破。
直近では、9.58万ドル付近に過去の抵抗ゾーンが存在し、4月25日の上ヒゲを伴う反発から、このゾーンが依然として機能していると推測される。
ここでの短期的な反落リスクは無視できない。
明確な上昇転換を確認するには、日足の実体で9.58万ドルを突破する動きが求められる。
突破に成功した場合、心理的節目の10万ドルが次のターゲットとして浮上する。