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アント・インターナショナル、サークル社とUSDC統合で提携

11.07.2025 16:10 1 分で読了 Hideaki Wakabayashi
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アント・インターナショナル、サークル社とUSDC統合で提携

アント・インターナショナルはサークルと提携し、USDCを自社決済基盤に統合へ。米国の新法規制への準拠が鍵となる。

アント・グループの国際部門であるアント・インターナショナルは10日、米サークル社と提携し、米ドル連動型ステーブルコインUSDCを自社のブロックチェーンプラットフォームに統合する計画を明かした。

この統合は、サークル社が6月に米上院で可決されたGENIUS法の要件を満たした後に実施される予定となっている。

アント・インターナショナルは現在、香港、シンガポール、ルクセンブルクでステーブルコイン関連のライセンス取得を進めており、規制に準拠したデジタル資産プラットフォームの構築を目指している。

GENIUS法の可決が提携を後押し

今回の提携は、米国のステーブルコイン規制強化が大きな推進力となった。

GENIUS法は、ステーブルコイン発行者に対して完全準備金の保有、月次監査、マネーロンダリング対策への準拠を義務付けている。

同法案の可決により、新しい暗号資産(仮想通貨)市場の透明性向上と信頼性確立への期待が高まった。

サークル社は6月5日にニューヨーク証券取引所で株式公開を実施し、10億5000万ドルを調達している。

株価は公開価格31ドルから初日終値83ドルまで上昇し、現在は200ドル台で推移している。

GENIUS法では、ステーブルコイン発行者の許可制導入により、規制当局による監督体制が強化される。

非金融系の大手テクノロジー企業による直接発行は制限され、規制対象金融機関との提携が必要となる規定も含まれている。

市場拡大への戦略的意図

この提携により、サークル社は発行総額620億ドルに上るUSDCを、アント・グループの13億人のユーザーネットワークで利用可能にする。

モバイル決済サービスAlipayのユーザーや、HSBC、JPモルガン・チェース、スタンダードチャータード銀行などの提携金融機関が含まれる。

アント・インターナショナルは、規制準拠のステーブルコインを活用することで、従来の国際送金における7から10%の手数料を1%未満に削減し、決済時間も数日から数秒に短縮できるとしている。

同社のブロックチェーンプラットフォームは、多国籍企業向けの24時間365日リアルタイム決済サービスを提供する計画だ。

市場では、アント・インターナショナルが80億から240億ドルの企業価値でIPOを検討しているとの観測も浮上している。

同社の2024年の売上高は約30億ドルに達し、2年連続で調整後利益を計上している。

一方、中国政府は人民元連動ステーブルコインの推進を図っており、ドル連動型USDCの影響力拡大への警戒感も存在する。

2021年に仮想通貨投資を始める。以降、同分野での専門的な知識を深めながら自身のブログ・ライターとしても活動。仮想通貨に関する深い理解を活かして複数のメディアで多くの記事を執筆。初心者に寄り添った簡潔な解説を得意とする。

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