仮想通貨取引所OKXは、米国市場への再参入後、新規株式公開(IPO)を本格的に検討している。アジアでの規制強化が背景にある。
暗号資産(仮想通貨)取引所のOKXは23日、米国市場でのIPOを検討している。
同社は司法省との和解を経て、4月に米国での事業を再開したばかりで、IPOの具体的な時期は2026年第1四半期初頭になる。
OKXのハイダー・ラフィークCMOは、「株式公開の可能性はあり、その場合は米国になるだろう」と述べ、米国での上場に前向きな姿勢を示している。
OKX, one of the top three global crypto exchanges, will consider an IPO in the U.S., after relaunching in the U.S. in April.
From IPOs to crypto treasury stocks, crypto is booming right now, but the rally is playing out in the stock market, at valuations that even surprised…
— Yueqi Yang (@Yueqi_Yang) June 22, 2025
OKXは2024年、資金送金ライセンスなしで事業を行ったとして米司法省と5億500万ドルで和解した。
この和解により、4月に米国市場へ合法的に再参入する道が開かれた。
市場復帰に際し、同社はウォール街で経験豊富なロシャン・ロバート氏を新CEOに任命した。
さらに、米カリフォルニア州サンノゼに地域本社を設立するなど、米国市場への本格的な取り組みを強化している。
この経営体制の刷新は、OKXを米国の規制に準拠した、機関投資家向けのサービスを提供する企業として位置づける狙いがある。
ウォール街の専門知識を活用し、信頼性の高いプレーヤーとしての地位確立を目指す。
OKXが米国市場へ注力する背景には、アジア地域での規制強化がある。
特にタイでは、証券規制当局がマネーロンダリング対策と利用者保護を理由に、OKXやバイビットなど複数の取引所を28日からブロックすると発表した。
こうしたアジアでの事業環境の悪化が、OKXにとって米国市場の戦略的重要性を高める要因となっている。
世界の規制が断片化する中、米国は重要な成長市場と見なされている。
また、仮想通貨業界全体で株式市場への関心が高まっている。
コインベースの成功したIPOや、ジェミニによるニューヨーク証券取引所への上場申請など、競合他社の動きもOKXの決定に影響を与えている。
こうした市場の成熟は、主要な仮想通貨への信頼性向上にも繋がっている。
特に、米国で承認されたビットコイン(BTC)現物ETFは、機関投資家の資金流入を加速させた。
同様の動きはイーサリアム(ETH)にも見られ、業界全体の成長期待を後押ししている。
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