ProSharesとBitwiseは、Circle株に連動する新たなETFを申請。レバレッジ型とオプション戦略型が登場。
資産運用会社大手のProShares(プロシェアーズ)とBitwise(ビットワイズ)は6日、SECに新たな上場投資信託の設立を申請した。
このETFは、6月5日にニューヨーク証券取引所に上場したステーブルコイン発行企業Circle(サークル、CRCL)の株式に連動するもので、IPO価格31ドルから最高137ドルまで急騰した同社株の人気を背景としている。
ProSharesが申請したのは「ProShares Ultra CRCL ETF」で、Circle株の日々のパフォーマンスに対し2倍のレバレッジをかけた運用を目指す商品だ。レバレッジを維持するため、ポートフォリオは毎日リバランスされる仕組みとなっている。
申請書類では、Circle株が日中に50%下落した場合、投資元本をすべて失う可能性があるというリスクも明記されており、短期取引向けの商品として位置づけられている。
一方、Bitwiseは「Bitwise CRCL Option Income Strategy ETF」を申請した。こちらはカバードコール戦略を採用し、保有するCircle株を対象にコールオプションを売却し、そのプレミアムからインカム収益を得ることを目的としている。
この戦略は高成長株で安定した収益を求める投資家層の需要に応えるものだ。両ETFは、SECの承認を前提として、2025年8月20日の取引開始を目指している。
ETF申請の背景には、Circleの新規株式公開後の爆発的な株価上昇がある。同社株は6月5日の上場初日に始値69ドルで取引を開始し、一時100ドルまで急騰、IPO価格31ドルから200%以上の上昇を記録した。
翌6日には最高値123.51ドルに達し、IPO価格の4倍近くまで上昇した。この急騰により、同社の時価総額は一時270億ドルに達している。
ETF申請の報道を受け、9日の市場でCircle株は前日比17%高の126.24ドルで取引を終えた。この値動きは、市場がこれらの新商品に大きな期待を寄せていることを示している。
Circleが主要なステーブルコインであるUSDCの発行元であることも、市場での知名度を高める要因となっている。USDCは時価総額610億ドルで、テザー(USDT)に次ぐ第2位のステーブルコインだ。
今年初めに承認されたビットコイン(BTC)現物ETFが市場に大きな資金流入をもたらしたように、CircleのETFも新たな投資家層を呼び込む可能性がある。今回のETFが成功すれば、他の主要な暗号資産(仮想通貨)関連企業の金融商品化も加速する。
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