大手テック企業が、取引コスト削減と決済効率化のため、ステーブルコインのプラットフォーム統合に向け初期協議を開始した。
Apple、X(旧Twitter)、Airbnb、Googleなどの大手テクノロジー企業が6日、決済システムへのステーブルコイン統合に向けて暗号資産(仮想通貨)関連企業との初期段階の協議を開始した。
関係者がFortuneに語ったところによると、各社は取引コストの削減と国際決済の効率化を目指している。
Google CloudのWeb3戦略責任者リッチ・ウィドマン氏は、同社がプラットフォームでのステーブルコイン利用を検討していることを認めた。
Google Cloudは既に行動に移しており、今月2人の顧客からPYUSDでの支払いを受け入れている。これは、クラウドサービスにおける新しい仮想通貨決済の先例となっている。
イーロン・マスク氏のXは、決済サービス「X Money」の開発を進めており、Visaとのパートナーシップによりデビットカードとデジタルウォレットを接続し、ピアツーピア決済を容易にする構想を持っている。
関係者によると、XはStripeとのステーブルコイン統合について協議を行っており、マスク氏の「万能アプリ」構想の一環として位置づけられている。
Appleは今年初めからCircleのシニアディレクターであるマット・キャビン氏との対話を含め、決済インフラへのステーブルコイン統合について検討を続けている。
Airbnbは2025年初頭から決済プロセッサーのWorldpayとの協議を通じてステーブルコイン決済の検討を継続。Worldpayは最近、パートナー企業BNVKを通じてステーブルコイン支払い機能を発表している。
この動きの背景には、米国の規制環境の変化がある。トランプ政権の行政命令により、連邦機関はデジタル資産における「責任あるイノベーションへの不必要な障壁を削減するフレームワーク」の策定を求められている。
現在審議中のGENIUS法案は、米ドル連動ステーブルコインの資本、準備金、監査規則を設定することを目指している。
決済プロセッサーのStripeは、Bridge社を買収後、銀行との間でステーブルコインをサービスに組み込む初期協議を行っている。Bridge社の技術により、リアルタイムでのステーブルコイン発行と決済が可能になる。
ステーブルコインは従来の国際送金と比較して70%以上のコスト削減を実現できるとされ、大手テック企業にとって数十億ドルの節約効果が期待される。年間数千億ドルの予約を処理するAirbnbの場合、取引手数料が1%削減されれば10億ドルの節約になると試算される。
しかし、企業が独自のステーブルコインを発行する道には依然として規制上の課題が残る。市場シェアの60%を占めるテザー(USDT)は継続的なコンプライアンス審査に直面している。一方、CircleのUSDCは最近IPOを完了したが、所有権に関する不確実性がある。
現在、米ドル連動ステーブルコインの流通供給量は2,000億ドルを超えており、2021年初頭の400億ドルから急速に拡大している。この成長は、ステーブルコインが主流金融に浸透する重要な転換点を示しており、大手テック企業の参入により「いつか」ではなく「いつ」導入されるかという段階に移行している。
X(旧Twitter)が分散型予測市場Polymarketと提携。これにより、現実世界の出来事を仮想通貨で予測・取引できる新機能がXに追加される。
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