Visaは30日、ステーブルコインプラットフォームのBridgeとの提携を発表した。この提携は、フィンテック開発者がステーブルコインに連動したVisaカードを提供することを可能にするものだ。
Bridgeは、最近Stripeに買収されたステーブルコインのオーケストレーションプラットフォームとして知られている。
この取り組みの目的は、ステーブルコインをVisaの広範な決済ネットワークに統合することにある。
実現すれば、利用者は自身のステーブルコイン残高を用いて、日々の買い物をスムーズに行えるようになる。
支払い時には、保有するステーブルコインが自動的に現地の法定通貨へとシームレスに変換される仕組みだ。これにより、利用者は通常通り自国の通貨で加盟店へ支払いを行うことができる。
ステーブルコイン残高の管理や法定通貨への変換といった、システム裏側の運用はBridgeが担うことになる。
Visaがこの新たな一歩を踏み出した背景には、いくつかの重要な要因が存在する。
まず、同社は消費者向けの金融管理オプションを拡充する広範な戦略を掲げており、ステーブルコインの統合はその一環と位置づけられる。
これは、Visaが進めるデジタル分野への急速な事業拡大方針とも合致している。
Visaの強固な財務基盤と市場における圧倒的な存在感も、この革新的な試みを後押しする要因だ。
加えて、近年ステーブルコインへの関心が高まっている点も見逃せない。
ステーブルコインは、暗号資産(仮想通貨)と法定通貨間の交換をより円滑にする可能性を秘めている。この特性は、ステーブルコイン取引の簡便化を使命とするBridgeの目標とも一致する。
このステーブルコイン連動Visaカードは、まずラテンアメリカの6カ国で先行して導入される予定だ。
対象となるのは、アルゼンチン、コロンビア、エクアドル、メキシコ、ペルー、そしてチリである。
ラテンアメリカ地域への集中は、戦略的な意図に基づいている。単一のAPIを利用することで、フィンテック開発者は複数の国において同時に、この新しいカードサービスを効率的に立ち上げることが可能となる。
利用者が従来のカード決済と同じような感覚でステーブルコインを活用できるようになることで、消費者の支払いにおける選択肢はさらに広がる。そして、ステーブルコインを基盤とした取引の普及にも貢献することが期待される。
こうした動きは、ボラティリティの高さが指摘される他のアルトコインと比較して、ステーブルコインの利便性を際立たせるだろう。
将来的には、より多くの人々が日常的な決済手段としてデジタル資産を活用し、仮想通貨 投資への関心も高まることが考えられる。
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